黒坂鍍金工業所|めっき、アルマイトで70年の歴史

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100 CHALLENGES FOR THE NEXT KUROSAKA

創業100年に向けて、次代の黒坂鍍金への100のチャレンジプロジェクト
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アイスが溶けるスプーンの秘密はめっきの表面処理にあった!

創業70年以上の歴史を誇る黒坂鍍金(めっき)工業所が、100年企業に向けて100のチャレンジをしています。
創業から精密光化学機器などの表面処理を行ってきた黒坂鍍金が、
「アイスが溶けるスプーン」を例に、表面処理技術やめっき技術についてわかりやすく解説します。

  • なぜ、「アイスが溶けるスプーン」でアイスが溶けるのか?

    「アイスが溶けるスプーン」でアイスが溶けるのか?

    アイスがなかなか溶けず、食べるのに苦労をされる方もいらっしゃるでしょう。特に、新幹線で車内販売されているアイスは、固いことで知られていますね。新幹線のアイスが固いのは、濃厚な味わいを出すために乳脂肪成分を多くしているから。

    しかし、買ってもすぐに食べられないことで知られるアイスも、「アイスが溶けるスプーン」を使えば手軽に食べることが可能です。

    なぜアイスが溶けるスプーンを使うと、アイスが早く溶けて食べやすくなると思いますか?
    その答えは「素材」と「熱伝導」に隠されていました。以下で詳しく解説しましょう。

    素材と熱伝導の関係性がポイント

    アイスが溶けるスプーンを使えば、固いアイスクリームを容易に溶かせる理由は、表面処理技術(アルマイト加工)によるもの。
    熱の伝わりやすさを示す「熱伝導率」が金属ごとにあり、市販されているスプーンのほとんどは、ステンレスを素材として使っています。

    物質

    k / (W・m-1・K-1)

    -100℃

    0℃

    100℃

    432

    428

    422

    420

    403

    395

    324

    319

    313

    アルミニウム

    241

    236

    240

    ステンレス

    12

    15

    16.5

    高級カトラリーの銀食器にあるように、素材に銀を使っていることもありますが、「錆びにくさや「活用のしやすさ」といったメリットから、多くの家庭ではステンレスのものが使われています。

    けれども、アイスが溶けるスプーンに使われている素材は、アルミニウム。
    アルミニウムの特徴である「熱伝導率の高さによって手の温度がスプーンに伝わり、アイスを溶けやすくしているのです。後ほど紹介しますが、黒坂鍍金がアルマイト加工と呼ばれる技術を用いているため、塗装に比べて禿げにくく、安心して使用できるのも特徴でしょう。

    後ほど紹介しますが、アルマイト加工と呼ばれる技術を用いているため、塗装に比べて禿げにくく、安心して使用できるのも特徴でしょう。

    めっきと塗装の違い

    アイスが溶けるスプーンを製造している黒坂鍍金ですが、めっきや塗装、アルマイト加工は明確な違いがあります。では、それぞれどういった違いがあるのかを見ていきましょう。

    めっき

    まず、めっきは金属の表面を別の金属で覆い、腐食させなくする処理のこと。
    その歴史は古く、紀元前1500年前にはメソポタミアの北部でめっき技術が誕生していたと言われています。当時は金属を防腐させるために錫(すず)を使っていました。その後、日本に伝わったのは西暦700年ごろで、大陸からの仏教伝来と同時期だという説があります。 金属原子を結合させるため、傷が付くと剥がれたりする恐れがありますが、以下のような目的で使われています。

    1.見た目をきらびやかにする

    装飾などにめっきを施すことで、金属の表面に光沢を出す効果があります。

    2.摩擦を減らす

    表面を滑らかにし、摩擦を少なくします。耐摩耗性を上げることで、地金を守ることにも繋がります。

    3.強度を上げる

    地金にめっきで被覆することにより、素材の強度を高めます。

    4.熱や電気を伝えやすくする

    銀や銅、金が特に優れており、熱や電気を通しやすいという特徴を付与できます。

    5.金属の劣化を防ぐ

    地金の腐食や劣化を防ぎ、長期間利用し続けることを可能にします。

    溶融亜鉛やクロームなどめっきに使う素材や、スプーン以外にもシリンダーやパソコンといった用途により特性が異なりますが、主に上記の目的でめっきが施されます。

    塗装

    次に塗装ですが、こちらは金属を樹脂で被覆。塗装の中には、静電塗装や電着塗装といった鍍金の技術を使う手法があります。どちらも電気の力で塗料を定着させるのです。

    樹脂にも様々な種類があり、ポリウレタンやアクリル、合成樹脂などが一般的。また塗装の方法にも違いがあり、電着塗装以外にスプレー塗装や粉体塗装といった方法でコーティングします。

    めっきと塗装は曖昧に認識されがちですが、簡単に言うと
    「めっき=金属で覆うこと」
    「塗装=樹脂で覆うこと」
    と覚えておくと良いでしょう。

    今回ご紹介した「アイスが溶けるスプーン」にめっき技術が使われているのは、熱伝導率の良さや耐久性の強化といった効果があるためです。

    めっきの技術力を解説

    アイスが溶けるスプーンが「なぜアイスを食べやすくしているのか」という理由から、めっきや塗装の特徴までを解説しました。
    次に、アイスが溶けるスプーンを生み出した表面加工技術であるアルマイト加工に迫ります。
    ただ単に熱伝導率だけを求めるのであれば、銀や銅を使った方が効果的ですが、アルマイト加工という方法により、有用性と安全性を実現することができます。

    アルマイト加工とは

    そもそも「アルマイト」とは、アルミニウムの表面を膜で多い、防腐性や耐摩耗性を高めたもの。
    少し専門的な話になりますが、陰極で処理を施すめっきに対し、アルマイト加工は陽極で処理を行なっています。
    酸素と結合して自然酸化被膜を作ることで「錆びにくい」と言われるアルミニウムですが、被膜の薄さから状況によって腐食する可能性がありました。
    この欠点を補う表面加工処理が「アルマイト」加工であり、耐食性や耐摩耗性、絶縁性といった性質を安定させることができたのです。

    また、アルマイトの膜に染料を定着させる技術もあり、バリエーションに富んだ着色を可能にしました。これは「カラーアルマイト加工」と呼ばれています。

    こうして「アイスが溶けるスプーン」にアルマイト加工が施されることで、手のぬくもりをアイスに伝えて溶けやすくしただけでなく、美しさも両立。さらには塗装よりも禿げにくいことから、食べ物を口に運ぶスプーンとして安全面にも配慮しました。

    表面処理技術やめっきで生活を快適に

    このように表面処理やめっき技術によって生活を豊かにするサービスを展開しています。技術の力が上がるほどチャレンジできる幅も広がり、100年企業に向けて継続的に挑戦。
    装飾の美しさや熱伝導といった目には見えにくい効果ですが、世の中をさらに便利で快適なものにするため、これからも新しい商品や可能性に挑んでいきます。

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